2024年8月22日木曜日

八雲が殺した


赤江瀑さんの短編集
いつも通り後ろに紙の貸出カードがついてる古い本
図書館が常に蔵書を新規購入している以上 廃棄は仕方ないけど ずっと残しておいてほしいよなぁ
怪しい雰囲気で満たされた小品たち 標準語が多かったかな 表題作は仕掛けに凝りすぎてて今ひとつだと思う どこまでも怪しい象の夜が良かった


八雲が殺した
男の顔 が映る湯呑みの水を飲み干すと男の幽霊が現れる 話を八雲が男の想いを除いた作品にしたことを不満に思う女が未亡人となった時 ワインに映った男が夢に現れ痴態を繰り広げることに
葡萄果の藍暴き昼
突然自死した純心な青年が残した詩は古事記と万葉の世界で 片思いした女性のものだった
象の夜
子どもができず一泊の授かり祈願をするが後日同じ祈願をしていた女性から夜に秘事があったことを告げられ脅される 半人の象がみだらに交わる仏像 否定しながらも流されそうになる妻
破魔弓と黒帝
七宝焼の職人と弟子と病床の妻の三人が死んだ謎を探る作家 には 独占欲が強く男性の友人にも激しく嫉妬する女優の愛人がいる 死んだ3人に同じような関係だったのか?
ジュラ紀の波
子供時代から関係していた男が死に 狂ったように村人を猟銃で殺した女 化石を見つけるためハンマーを叩く男は子供時代に発掘にやってくる男女の痴態を見ていた こころの衝動を閉じ込める檻を欲する男は化石に閉じ込められた生き物を想う
艶刀忌
初夜を見届けたあの日本刀は戦争で没収されたが時を経て戻って来る 今の持ち主に亡き夫を見て騒ぐ心を抑えきれない老女
春撃ちて
老境の高名な写真家が無差別殺人の犠牲になるが 手裏剣投げの技を持つ 恋人を奪われた男の復讐だったのか?
フロリダの鰭
漁村へアルバイトに行き二人の男に弄ばれる女学生 一言が原因で1人が心臓麻痺で死に もう一人は原因となった大学教授を殺し自殺するが 真相を知るのは女学生のみ

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