2024年9月10日火曜日

紙の動物園


ケン・リュウさん 初読み
連城先生の人間動物園を読書メーターに登録するとき検索したら出てきた本 タイトルにひかれてちょっと調べたらヒューゴー・ネビュラをとってるSFだ 図書館で調べたらあったのですぐ借りた
これはSFなのかな? といったカテゴライズは無意味に思えるような独特な世界を持った短編たち 情緒、かな強いて言えば 表題作はぐっと来た、これはSFじゃない、でも面白い  一気に読めそうだったが意外と時間がかかった 面白いけど出来に差はある 私の好みの問題かもしれないけど どれかとなると表題作と「良い狩りを」ぜんぜん違う話だけど匂いは同じ
中国、台湾、日本も語られ翻訳物という感じがしなかった

紙の動物園 
中国人の母が作ってくれた折り紙の動物たちと遊んでいた子供時代をへてアメリカ人として母を嫌うようになったがその死の前に虎の折り紙に書いてあった母からの手紙 
もののあはれ 31
隕石により滅亡する地球から避難した宇宙船が故障し修理のため船外に出るが戻れず死ぬ 碁盤 それぞれの役割(たった一つの冴えたやり方 より静かで胸にしっとりと染み込んでくる)
月へ 57
弁護士になりたてでルールを厳守する娘が中国からの難民認定の弁護をするが難民の話は嘘とわかる 月の猿の寓話は意味わかんない
結縄 75
高地に住むナン族に伝わる縄の結び方で意味を伝える方法に習熟した男に アミノ酸の結合予測をさせ画期的な生成方法を開発する 男は村に帰り報酬として良いコメの種を貰うが毎年高額で買わされることになる
太平洋横断海底トンネル小史 92
昭和天皇の発案でできた上海、東京、シアトルを繋ぐ海底トンネルで働いた男 犯罪者を労働力として使っていた秘密
潮汐 123
月が巨大化し続け引力で海面が上昇し人が住めなくなった地球で 月を破壊するための自爆ミサイルを密かに作っていた男とその娘
選抜宇宙種族の本づくり習性 129
宇宙の様々な種族における知恵や知識を未来に残す手法について
心智五行 141
人体の微生物をすべて除去した人類 宇宙船の損害で生き残った唯一の女性はやむなく近隣の惑星に避難 そこは中国人の祖先が人体の微生物と共存し豊かな感情を持ち生活していた 女性は救助されるが微生物を除去され感情を失ってしまい惑星に戻ることにする
どこかまったく別な場所でトナカイの大群が
肉体を捨て精神世界で永遠を生きる未来にも肉体を保持する古代人がいる その母と普通の父との間に生まれた娘 母は永遠の探検に出る前に娘と過ごす
円弧235
若くして子を産み 捨て放浪し死体のポージングをするようになる女 やがて若返り技術により100歳まで生き子を産むが自ら若返りを捨て死を選ぶ
波 235
次世代以降が到着する星間旅行の間に人類は不老不死を手に入れ、肉体を捨て金属を身にまとい、やがてそれさえも捨て宇宙の意識となり、神となり生物の進化を見続ける(壮大な叙事詩なのか?)
1ビットのエラー 267
1ビットのエラーのせいで天使が見える妻が死ぬ (意味わからんかった)
愛のアルゴリズム
玩具メーカーで人形作りを始めた妻は次第に高度なAI人形をプログラムするようになり やがて人間の感情とプログラムの演算結果の違いがわからなくなり精神を病む
文字占い師
台湾に来た米国人家族 その娘は文字占いをする中国人父子と知り合うが その話を聞いた父は親子を共産主義のスパイとしてとらえ拷問の末殺す
良い狩りを
妖怪退治師の息子が 知り合った狐の娘 時代とともに妖術はテクノロジーという魔法に変わり狐もメタル狐に生まれ変わる

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