2013年12月26日木曜日

神去なあなあ夜話


神去の日常のほうと一緒に予約しておいた本。
5月に予約して280番でしたが、結構時間かかったかな?

桜木紫乃さんとの比較は変かもしれませんが、この作品の三浦さんの筆は実に生き生きとしてますね。まほろと比べてもすごく良い筆になってると思います。さすが直木賞作家、って思います。
本作のピークは第四章、神去村の過去の話ですね。
全体としてはユーモラスな一人称小説ですが、一転してシリアスな、ぐっとくる話になります。しかし決して暗くならずに、明るさ・ユーモアを失わずに話が進むあたりがこの作家の力量なのかなって思います。
「光」のような、救いようのない暗い話も書ける作家だからこそ描ける世界なんだと思います。

三浦さんはすごいですね。まほろといいこの神去といい、シリーズ化できる質の高い作品郡。
風が強くも傑作だったし、舟を編むもまだ読めてないけど傑作らしい。
直木賞っぽい作風の、良い作家ですね。
しかし素晴らしく力のある作家だからこそあえてもう一つ注文をつけさせてもらえれば、読後に心にずっしり残るような何かも付け加えてほしい。
今でも十分面白いんだけど、面白いだけで終わるんじゃない、考えさせられるような何かを残して欲しいって思います。

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