2014年7月1日火曜日

岸辺のアルバム


子供の頃見たかったドラマの原作本、冬の旅を読んだので今度はこっち。
山田太一さん、脚本家さんですね。

読む前にwikiでキャストを調べてたので、どうしても、八千草薫とか国広富之、竹脇無我や中田喜子の顔を思い浮かべながら読み進めることになったが、どうも小説という感じがしなかった。
まさに脚本を読んでるようで、筋があるだけで中身が無い感じ。スカスカな感じですね。そういう目で読んだせいかもしれないけど、物足りなさはかなりあった。
古くささも物凄く感じる。他人に対する無関心さから成り立っている虚構が崩壊する話だけど、本当に崩壊するのか?昔は崩壊する話は受け入れられたかもしれないけど、今ならごくごく普通のことなのでそのままじゃないのかなとも思う。そもそも崩壊することをテーマに据えること自体が古すぎるような???
純粋な小説と比べるとテレビのほうがより時代を反映したがるのじゃないかな。それだけに今読むと読者のほうがちょっと恥ずかしくなような部分も出てくる。前に読んだ冬の旅は多分本作より古いけど、人間としての普遍的な部分を描いてるので、古くても面白く読める。本作はそれと比べて、当時ドラマで見ていたら随分楽しめたのかもしれないけど、今読むと全てが古く感じてしまう。

などなど、あまり良くないことを書いたけど、ラストはスッキリ希望に向かってます。
救いがある。
読後感は良いです。

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