2014年8月13日水曜日

小さいおうち


中島京子さん、直木賞受賞作。
こうしてみてみると、直木賞って随分女性が多いようにおもいます。
今まで私が女性作家を敬遠していたんで、読み残しは自然と女性作家になってしまってるのかもしれないけど。
女性というとどうも恋愛小説のイメージがあって、進んで読もうとはしてこなかった。でも最近読んだ女性作家はどれも皆面白い。今回直木賞受賞作を読もうと思ったのは正解だったかも。

本作については、滑らかで綺麗で品が良くて、時折ピリッとしたユーモアが効いた日本語で語られるおばあちゃんの物語。
のどかな景色だけど飽きさせず読ませるのは作者の力だと思う。
でも読み進めていくと、意外と戦争ものだったのか?と思えてきて、ラストはミステリのどんでん返し的な要素もあったりしますね。

こう書くと自分でもすごく面白かったように見えるけど、そうでもなかったかな。
私としては最初のトーンで書き終わってくれたほうが楽しめた。最終章には毒を感じて、ちょっと居心地が悪い。
また、本の裏表紙にはラストの深い余韻、という言葉があったけど、余韻とはよく言ったもので、間違ってはいないけど正しくも無いんじゃないかな。私はラストは余韻ではなくて「もやもや」だと思う。ここまで引っ張ってドンデン返しておきながら、最後は読者の判断にお任せします、的な終わり方はないんじゃないの???

直木賞をとった作品ではあるし面白いけど、私は嫌いです。

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