2014年9月11日木曜日

風に舞いあがるビニールシート


森絵都さん、直木賞受賞作

奥田英朗の空中ブランコのなかの恋愛小説を粗製乱造する女性作家の話を思い出した
陳腐な設定、ありがちなストーリー、文章も平凡でまさしく奥田さんが描いた女流作家そのものと思いながら読んだ最初の短編、ただラストの毒はほおっ、と思ったけど
次もぱっとしない、ただの愛犬物語としか読めなかった
でも三つ目の守護神は面白かった、設定もアイデアも良い、良い話だし
四作目はやや重厚感があってこんな作品も書くんだなって感じ
そしてジェネレーションX、これは傑作
世代間のギャップの話だけど、男の友情、中間管理職の悲哀も詰め込みながら、ケツメイシのラップみたいに物凄く軽快なテンポで突き進んで見事に収束
後味も抜群に良い、完璧な短編
それに比べると最後の表題作は平凡な第一短編に戻った感あり
感動作に仕上げてるけど平凡さはいかんともしがたい

直木賞受賞作としては物足りないかな

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