2015年2月12日木曜日

わたしたちが孤児だったころ


カズオ・イシグロさん
ディッケンズ風の出だしで始まる英国の物語だが、すぐ回想に入ってやはりイシグロさん
でも、あまり思わせぶりではなく、やはりディッケンズ風に物語は進んでいく

決定的なシーンをあえて書かない、回想にゆだねる書き方は雰囲気があっていいですね、イシグロさんらしい
しかし、はっきりとした推理小説的な意味での物語になっている部分と、「わたしたちが孤児だったころ」を一般論的に想うノスタルジックな部分との対比がよくわからなかった
日の名残は雰囲気を味わう小説だと思ったが、そういう意味ではこの小説は何を味わえばいいのか良くわからないということかな

フィリップおじさんとの最後のくだりが迫力ありすぎなのかもしれない
この種明かしを書きたかったわけではないと思うんだけど、ここがやはり印象に残ってしまう
アキラとの再会に至ってはあまりに不自然すぎて興醒めだし

全米でベストセラだったらしいけど、私にはよくわからなかった

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