2015年5月21日木曜日

悟浄出立


万城目学さん、これも道立図書館で借りた
市は150人待ちだったが道は1人だった
この作者さんの作品については、私はプリンセストヨトミしか読んでないけど、奇想天外な話で面白いけどそれだけという印象、でも最近は直木賞候補の常連さんだし本屋大賞でもよく名前を目にします、ということで借りてみました

本作は2014年下期の直木賞候補作で、連作短編となっていたので借りてみたんだけど、連作とは言いがたく、短編が5つでつながりは無い
しかしこの作品集は実に楽しく読めました
万城目さんってこういう話も書く人だったんだなといううれしい驚き
表題作は勿論良いけど、二作目の張飛の話が私は好き、最終話もすごくいい

物語的な動きは無いのだけど、心の動きが実に面白い
中国の古代史に設定を置いて、聞いた事のある名前の人物たちが悩みに悩む
こんな短編集もあるんですね

直木賞の選評を見てみたら総じて良くない
でも歴史モノと捉えて傷を探すような評は的外れだと感じる
二作目だって張飛を書きたかったわけじゃなくて、思い悩む姿がそれだけで楽しめる人物として張飛を出しただけだと思う、そこに歴史を見る必要なんてない

良い味の短編集、直木賞よりは芥川賞っぽいのかなとちょっと考えたけど、そこまでのものは無く楽しく読めばいいのだと思う、だとしたらやっぱり直木賞には少し足りなかったのかもしれない
でも私は面白く読ませていただきました

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