2017年9月7日木曜日

羊と鋼の森


宮下奈都さん、201604に予約の登録
読むまで1年以上かかったんだなあ

青年の成長物語です
ピアノ調律師という特異な舞台設定にもかかわらず、
職場でのあれこれや主人公の悩みなど、多分どんな業種でも当てはまると思わせるような普遍性があって驚いた

でもかなりの話題作だっただけにやや裏切られた感もある
描かれているのはいつもと同じ宮下奈都さんだったので
丁寧で誠実にコトバを選んでゆっくりと物語っていく
ハラハラもドキドキもないけど選ばれた一つ一つのコトバがしっとりと胸に染みこんでくる
いつもどおりの宮下さんだよなあ

新しい驚きが無くて不満ということでは全くなくて、宮下さんの小説は前から素晴らしかったということが言いたいだけです
なのに何故この作品がこんなに注目されたのかがよくわからないってこと

本屋の店員さんが薦めたい本のNo1というのもちょっと引っかかった
活字離れの若者に薦めるとしたら、私ならこんな地味な本じゃなくてもっとハラハラドキドキ系の本を薦めるけどなあ

ちょっと気になったことだけど、この本を読んで過去の宮下さんの本を思い出そうとして難しいことに気づいた
いい本だったなという記憶はあるんだけどどんな話だったかがはっきりとは思い出せない
物語性が希薄なんだな、多分

でも面白い、不思議な作家さんですね
直木賞とかって難しいのかもなあと少し思った

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