2023年6月26日月曜日

ユートロニカのこちら側

小川哲さん の デビュー作 らしい
個人情報 だけでなく全てのプライベートが管理された社会 の 恐怖 と その一方で その生活環境 永遠の静寂 ユートロニカ を求める 人間には そもそもの欲求がある そしてそれに反対する者たち 人間が思考することの 貴重さ そういったことを 連作短編の形式で 時系列で 描いていく 
まさしく ユートピア しそうである 共産主義に対する アンチテーゼ になってるのかもしれない
SF の枠に とどまらない 大きなテーマ を ものすごく 上手い語り口でえがく 新人さんとは到底 思えない 完成度が高い作品だと思う この作家が ゲームの王国を書いたのは よくわかる気もする これは早川の SF のコンテストに 応募した作品だけど 発表の場が欲しかっただけで この作家さんは SF を書きたいわけじゃないんだろう もっとたくさん読みたい 作家さん

第1章  リサとジョン の夫婦 LiSA の希望で特別区に住む ことになったが ジョンは次第に 正気を失っていく 
第2章 警察官 リードの話 父親とうまくいかなくて家を飛び出したが 父親は特別区のために 情報提供をしていたことを知る 
第3章 刑事 スティーブンソン と 妻のリサ スティーヴンソンの部下がリード ライルという刑事も出てくる 刑事の多忙さ故に妻を失う 
第4章 医者のドーフマン とライル 犯罪を犯す前に 犯す 傾向のある人間を把握して防ぐ仕組みは正しいのか
第5章 厳格な家庭に育ったユキ は アメリカに留学する が自由を求めて 認知症治療を拒否する祖父の姿を見て 友達の ララと一緒に 特別区を爆発することを計画する でもそれはBAPに悟られていて 刑事に助けてもらう 刑事は自殺する
第6章 牧師のアーベント ロートと息子の ピーター 孫 の ティム アーベント ロートは アガスティアリゾートの創設者 の血筋 様々な 経緯を経て リゾートに住むことになるが ピーターは 住むことができない 様々な考え方があり 対話が必要 自分で考えることの貴重さ

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