2013年4月4日木曜日

ハーモニー


伊藤計劃さんのSF大賞を受賞した作品だそうです。
沖方さんの天地明察に感動して沖方さんを調べたらSF大賞というものを受賞しているのがわかって、そのSF大賞を調べていて出てきた作品。図書館ですぐ予約できました。

近未来のサスペンス系SFですが、はっきり言ってだめですね、この作品は。
小説になっていないと思う。
アイデアだけがあって細部がまったく描けていない素人作品、というのが私の感想。
ありえないけど妙にリアルな高村薫の神の火を読んだ後だけに、なんとも薄っぺらで厚みを全く感じることができなかった。主人公への感情移入も出来ない。大体主人公の人間がほとんど描けていない。他の登場人物にいたるや全く描けていない。

アイデアも陳腐だと思う。
個体としては分かれているが意識は統一されている、蟻のような生き物を描いたエンダーのゲームを思い出した。
ラストには何の驚きも用意されていないし後味の悪いこと。

これは駄作です、SF大賞の意味がわからない。作者は若くして亡くなった方だそうですけど、それとこれとは別、作品は評価できませんな。

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