2013年4月13日土曜日

マルドゥックスクランブル


天地明察の沖方さんがSF大賞を獲った作品。

私は昔から本好きですけど出発は小学生のとき読んだSFでした。星新一、筒井康隆、平井和正、半村良。安部公房の第四間氷期あたりから純文学にも入っていくことになったのかな?
しかし今でもSFには興味あり、前回読んだ「ハーモニー」にはがっかりだったものの、この沖方さんの作品にはすごく期待。

SFアクションという感じですね。人間はよく書けてます。面白い。
しかし私としてはクラークが純粋SFだとするならアシモフ先生はSFを舞台にした娯楽SFであり、大衆小説に対して純文学があり、なんとなく純文学が上という価値観を容認する私としては読みたいのは純粋SF。そういう意味ではちょっと違うかな。

しかし娯楽SFと割り切って読むとものすごく「読ませる」小説ですね。
1巻は疾走。しかし2巻から3巻にかけての、ギャンブル・カジノのあたりは何だかよくわかんない描写が延々と続きこれはダメだなと思いながら読んでたらいつの間にか引き込まれて手に汗を握ってました。 ここはすごいです、作者の筆の力は尋常ではありません。これに比べるとラストは付け足しのように約束どおりの収束ですが、まあ、全体通すと「すごく面白い小説」です。

しかしやはりSFとしては全然だめですなあ。
日本のSFに純粋SFを期待すること自体が無理なのかもしれないけど、日本のSF大賞なるもののレベルはちょっと低すぎるんじゃないかなとは思いますね。

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