2013年5月27日月曜日

もう一つの出会い


宮尾登美子さんのエッセイ。
櫂、春燈、朱夏、仁淀川に続く作品はまだ書かれていないのでネットで何かないかなと探して見つけたのがこのエッセイ。多分3月から読んでたと思うけど、エッセイはどうもすっきり読みきるのがむつかしく今までかかった。

当初の目的というか、仁淀川のあと、どうなったかという意味ではまあわかったけど、小説の形で読みたいという気持ちは増しますね。
作者はもうかなりな年齢のようだけど、何とか頑張って書いてもらいたいなあ。

作者は綾子そのものの方のようですね、何というか古いこだわりのようなもののない、自分中心の人。
基本私もそのことには強く同意ですけど、時代と性を考えると、生きていくのはさぞかし難しかったろうなあと思います。
読んでいる限り、几帳面な、明日を心配するというタイプではない、そういう意味では私から見るとものすごく愚かなどうしようもない人間だと思うけど、自分を貫くためにはそういうった愚かさが必要だったのかもしれない。

宮尾さんにとって谷崎、ではなく細雪が非常に重要な作品だったと知り面白く感じた。
なんとも美しい文章でだらだらと描かれる谷崎の耽美の世界を私は激しく好んでますが、同じく美文ながら谷崎とは正反対とも思えるきびきびと無駄をそぎ落としたような文章を書かれる宮尾さんが細雪とはなあ。

後半はかなり日常、食材の話が多くなってる。
私としてはあまり興味がわかないジャンル。
こういったことも含めて全てが宮尾登美子さんなんですね。

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