2014年10月23日木曜日

あかね空


山本一力さん、直木賞受賞作、さっき読了
最近現代ものが多かったけど、久しぶりの時代物
人情長屋っぽい設定でいかにも日本的な昔の情緒の世界

義理と人情、こういう世界は設定が現代だとなかなか描けないかもしれないと考えながら読み進めたけど、読み終えてみると家族の話で、現代にも共通する普遍的なテーマとも言える
そういう視点で見ると本作が傑出して読ませる作品になっているかは疑問

じっくりと描いてくれるのかと思ってたら期待は裏切られ、かなりのテンポで話は進み、読みやすさもあってページをめくるのに苦は無いけど、最後まで読み通しても大きな満足感は無い
第二部は推理小説の種明かし的位置づけで、第一部と違って視点や時間が動いていく
わかりづらさは無いけど効果的とは全く思えない、違和感が残る書き方
ラストの幕引きも盛り上がりに欠けこじつけ感もあり、説得力に欠ける

解説は絶賛してたし、直木賞をとったくらいだから一般論として本作は優れた小説なのかもしれないけど、私はあまり楽しめなかった

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