2014年10月29日水曜日

ツナグ


連続して辻村さん、さっき読了
一気に二冊借りてしまってました

直木賞受賞の短編集は今ひとつだったけど、本作は傑作
私は基本通勤中しか読まないが、帰りのバスで読みきれなかった分を帰宅してから一気に読んでしまった、こんなことは久しぶり

死者は生者のためにある
伝えたいものがしっかりとあって、それを物語にしたときの小説としての外形もものすごく上手くて面白い
傑作としか言いようがない

連作短編として読めば4作目が頂点でぐっときて、最後は締め、これでも十分面白い小説に仕上がったと思う
しかし締めの最終章がとんでもない
ミステリーじゃないのにミステリの種明かし的なドンデン返しが巧妙に仕掛けられていてページをめくる手が止められない
しかしある意味きれいに収束していてミステリならすっきり終われるのに、本作はすっきりできない、重たいテーマが読後もずっしりと読み手にのしかかるから

こんな小説を、若い女性が、書いたんだなあ
才能としか言いようがない
息子達にも読ませたいと、ふと思った

0 件のコメント:

コメントを投稿