2019年11月18日月曜日

黄昏のベルリン


連城三紀彦さん
ニッポンの文学にミステリ作家として紹介されていて懐かしくなって借りてみた
ただ懐かしさに関しては赤江漠と勘違いしていた
この作家は妖しさ、危なさとは無縁かも知れない
改めて考えると私にとっての連城三紀彦は恋愛小説を書く人でした

冒頭から色んな人が登場するし頻繁にシーンも変わるが不思議と頭にすっと入ってきてわかりずらさは無い
こういうのはプロの文章技術なんだと思う
大江健三郎の反対側ですね

特に同じ段落の中で改行無しで語り手が変わる叙述には少し驚いたが慣れてくると結構心地良いというか、文章の流れ、思考の流れを体感してるようで楽しく、特にラストはこの手法が効果的に使われていたと思う

大胆なテーマで世界を舞台にしたスケール感のあるお話だが極めて内省的
恋愛ミステリといったところか
悲劇的な結末だがこの物語にハッピーエンドは無いよな
面白かった、他の作品も読みたくなった

0 件のコメント:

コメントを投稿