2023年9月12日火曜日

クララとお日様


石黒さんの作品は静かで上品な語り口の中で 人としてのあり方を深く深く見つめていくというか 読んだあとにたっぷりと残るものがあって とにかく大好き 表現は平易で 分かりやすい 翻訳も素晴らしいんだと思うけど ある意味 村上春樹に似てるかな 
本作はタイトルや 装丁からして ジュブナイル なのかなと 少し思いながら 読み進めたが SF 的な設定の中で繰り広げられる AI による一人称 小説 が深い人間 ドラマ として展開されミステリーのようでもあり ページをめくる手が止まらない中 終盤の大人達のやりとりは読み手に迫ってくる そして ラストのクララの述懐 ハッピーエンドで終わりやはり これはジュブナイル だったかと 少し思わせられた後味のいい そして深く考えさせられる素晴らしい作品でした


いろんなところに謎がまかれていて結構 ドキッとした展開もある  滝を見に行ってお母さんが変貌する辺りはすごく怖い どうやら かなり 窮屈な人類の形態になっているみたいだ 子供は 向上 手術を受けさせられるのかな 発達した知能 AI から見た人間を描いてるんだと思うけど 

遺伝子を操作する向上処置を子供に施すことで優秀な子供になる ただし うまくいかない場合があって失敗すると子供が弱って死んでしまう可能性もある 親は悩むが勇気を持って 処置を受けさせることが 裕福な家庭にあっては普通のこと になっている 世界 なんだね

私を離さないでに世界観 ちょっと似てるよね 近未来で 石黒さんってそういう設定を書く人なんだね 日の名残 みたいな雰囲気 古き良き時代のイギリスを懐かしむような作品を書きながらも SF 的 な 舞台設定を使って何だろう 人の心を 喜びや悲しみ 憎しみ そんなものを描きたいんだろうか

結構ハラハラしながらもラストにはちょっと驚かされて 軽い 奇跡の話だよねそうして静かに悲しく終わっていく ロボットは人の代わりになれるけど周りの人の心の代わりはできないってこと それをロボットに語らせるところで ちょっと グッとくるよね 石黒さんの作品読んでてこういう 終わり方は初めてだったような気がする すごくいい 小説 だった 点数つけれたら 5点満点で5点


他の作品もなぁ もう一度読み直そうかな

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