2012年7月5日木曜日

ゲルマニウムの夜


花村満月さんです。
ずっと花村さんの長編をじっくり読みたいなと思ってたんですが、予約しようといろいろ本を見てるうち、まずはこのシリーズを読んでおく必要があるのではと思い、とりあえず三冊借りたうちの一冊です。

満月イズムが満ちていますね。
この作品が芥川賞をとったときって、芥川っぽくない作家が芥川とって、直木っぽくない作家が直木をとったように記憶してますが、満月さんについて言うと、純文学とか大衆文学と言ったカテゴライズが難しい作家だと改めて感じますね。

暴力と性と宗教、ある意味陳腐なテーマですが、満月さんが書くととてつもなく面白くて思索的です。
第一作目は主人公の登場、教子さんとの愛欲、テレジアとの関係が描かれます。神父に殺人を告解するあたりが面白かった。宗教の無力をあざ笑うわけですが、このシリーズの核になる部分のように感じました。宗教は無力なのか???

読むのは二回目だし大体筋も覚えてましたが、文章が刺激的だし、十分楽しめました。
読んだのは文庫版で、一冊二話づつだと思ってたら三作構成になってておやっと思いました。文庫版にする際、ゲルマニウムを2話に分けたようです。分けられた二話を読むとなるほど分かれてますが、こういうこともあるんですね。
今後の展開が楽しみです。

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