2012年7月28日土曜日

風の條


王国記Ⅷ、いよいよ第一部の完結です。

「風の條」は朧です。肥満の教子さん、京都での太郎、花子。
この前のジャンの疑問のあたりからドキッとさせられてましたが本題突入といった感じ。
結構驚愕の展開ですが朧ってただの妄想狂というオチなのか、しかしこれで本当に終わるのか?

太郎と花子ってわからないなあ。
宗教をテーマにした小説に超越者を登場させてみて展開を楽しみたかったのか、そのことで宗教の本質を炙り出したかったのか。ただのSFに堕してしまうリスクを犯してまで???
結構重要なテーマだったはずのヴィジョンも結局太郎が朧に見せていただけだもんな、満月さんは宗教の神秘性をバカにしきってしまうわけですね、そのための超越者の登場か?
花子はまだ処女懐胎の謎も残ってるしもっと奥がありそうだな。

「白色について」は目が見えなかった前橋さん、突然重要人物化しましたね、桃だもんな。
終盤になってきてまた宇川くんが出てきてますが結構良いキャラクタになってますね、宇川くんの語りも読みたいです。
グワングワンの展開で第一部は終了。
朧ってなんだったんだろう。宗教とは信じることか、ただそれだけと、その心が無くなったら人間は生きていけないのか?そんなこともないと思うけどなあ。

純文学とか大衆とかという分類に意味は無いのかもしれないけど、私は満月さんの純文学的な王国起が好きでした。前の方はそういった感じでしたが、全体を通すと大衆っぽいいやらしさも滲んできてて、どうなんだろうという感じで微妙です。
満月さんが好きになれない部分はココにあるようにも感じましたね。小説に答えを出したがるような部分、まとめにはいる部分、小説としては十分面白いんだけど、ここがどうも、好きになれないのかな?

0 件のコメント:

コメントを投稿