2014年5月18日日曜日

ラブレス


桜木紫乃さん、昨日読了。
前回は短編集を読んだけど、長編も読んでみたくなって借りました。

タイトルはラブレス、桜木紫乃さんらしい醒めたタイトルだけど、中身は正反対でラブが詰まってますね。
主人公の百合江を中心とした女性の生き様ってことだけど、百合江との対比で周りの女性たちも上手に絡んできます。ラストは泣かせる場面もあって、上手く仕上がってると思う。

しかし気になったことを二点書きますが、
まず女性4人が絡み合いますが、私の頭の悪さゆえか、誰が誰なのかよくわからなくなったりしました。頭の中で常に系統図を書いておかなくちゃいけなくて、ちょっとわかりづらいと思ったこと。
それと、全体通して長編としてどうかなってこと。連作短編のようなつくりのほうが良かったのかもしれないなってこと。
女性の生き様って意味で宮尾登美子さんを思い浮かべながら私は読んでしまって、そういう意味ではどうも物足りない。伝わってくる迫力が違う、というか、質が違う。この作者はやっぱり短編作家なんじゃないかな、と思ってしまいました。

決して面白くなかったわけではありませんが、物語作家が数多くいる中で、桜木紫乃さんの次の作品を是非読みたいって思えなかったのは事実かな。

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